BioWhittaker™ 専門培地
The Next step in AAV production
The Next step in AAV production
遺伝子治療は、かつては不治の難病とみなされていた疾患に対してさえも治療効果が期待できるように、大きな潜在性を持つ治療技術です。遺伝子治療の臨床開発に向けての鍵は、安全性そして患者細胞への精密にターゲットされた外来遺伝子の導入です。アデノ随伴ウイルス(AAV)は、このプロセスにとって最も有力視されているウイルスベクターの一つです。AAVは非病原性ウイルスであり、非分裂細胞への高い遺伝子導入効率など遺伝子治療におけるウイルスベクターとして好ましい特長を有します。
Spodoptera Fuigiperda (Sf9) 細胞は歴史的に高分子タンパク質や多量のウイルス/タンパク質発現系に利用されてきました。浮遊培養系における高密度生産能により、Sf9細胞は信頼性のあるAAV生産のホスト細胞株となりつつあります。
遺伝子治療マーケットのニーズを満たすため、ロンザは完全合成培地 TheraPEAK™ SfAAV™ Mediumの開発に至りました。この製品は競合培地と比較しても、より早くかつ安定したSf9細胞の増殖を可能にします。この迅速な細胞増殖によってウイルス感染プロセスを1日早めることができ、かつSfAAVは多くの細胞外AAV生産を促進します。また、競合培地と比較しても乳酸塩やアンモニアのビルドアップは低く抑えられ、健全なAAV生産環境を創出します。
特長・利点
- 完全合成培地
- 非動物由来成分
- 加水分解物フリー
- GMP製造培地
- 高効率の細胞増殖
- AAV生産能の向上
- ダウンストリームプロセスを簡易化
安定的かつ優れた倍加時間
Fig.1 TheraPEAK™ SfAAV™ 培地(緑)で培養させたSf9細胞は、どの競合培地(灰色)に対しても、安定的かつ短い倍加時間を45継代以上に亘って維持していました。このことは一貫したSf9細胞培養パフォーマンスを保証し、またAAV製造現場での、より緻密な計画スケジューリングが可能です。
増強されたAAV生産
Fig.3 TheraPEAK™ SfAAV™ 培地(緑)で培養させたSf9細胞は、バイオリアクター内でリーディング企業培地(灰色)よりも多量のrAAV2を生産しました。
より早いSf9細胞の増殖
Fig.2 TheraPEAK™ SfAAV™ 培地(緑)で培養させたSf9細胞は、どの競合培地(灰色)に比べても、早い増殖を示しました。これにより、バキュロウイルス感染を最適な細胞密度(~3 x 106 cells/mL) で、競合培地に比較して最低でも1日早く開始することができます。
GMP品質
臨床プロセスにおける信頼のおける結果、最終的には患者の安全のため、製品の高い品質や安全性は絶対に欠かすことのできない要素です。ロンザは、高品質の細胞・遺伝子治療関連製品としてTheraPEAK™ 製品ラインを世界中の顧客に供給してまいりました。TheraPEAK™ fAAV™ 培地は21 CFR Part 820(医療機器に関する米国レギュレーション)に準拠して製造されています。またロンザの製造サイトは、ISO13485認証に基づく品質マネジメントシステムを保有する企業として米国FDA登録がなされています。GMP品質を有する製造用途のTheraPEAK™ 培地には、ゲンタマイシンやフェノールレッドは含まれていません。
TheraPEAK™ SfAAV™ 培地製品は、高い製造および品質管理基準を有する培地製品として販売しています。しかしながら当該培地製品を再生医療等製品製造用途にご使用するにあたっては、お客様自らのバリデーションを実施して頂き、規制当局と薬事相談を行った上で、お客様の責任の下でご使用に関する判断を行って下さい。